そうじ







  夕方そうじをしていて
  窓の向かい
  こっちよりもすこし高い建物が
  黄赤がかっているのをみていて
  せつなくなった
  ときみにメールする

  返事は声が来て
  そうじ嫌だったんじゃないの
  とはぐらかされて
  笑われてながら
  そうかも
  笑い返してるうちに

  建物も
  日も
  ずいぶんうすくなっていっていて
  もうだいじょうぶ
  と答える

  いろんな物を袋につめ込んで
  洗たく機のわきに置いて
  さっきまであんな
  せつなかった建物の壁が
  もう夜になってるのをみて

  耳もとの声の残りに
  ありがとうを言う