にへーでーびる






お面をかぶって

近寄ってきた

小さな子どもが此方を見上げ

握っていた掌を開いたら

音符が一っつ乗っていた

風なく力加えもせず

ひゅ、て音符はとび跳ねる

にぃ、てお面の子どもが頬笑み

まっすぐ音符は此方へ向かって

ぶつかる

思った瞬間

視界が弾けて

明るくなった

お面をしてない

まっ黒に焼けた子が此方を見てる笑ててる

耳ん中うぁんうぉん唄が響き返ててる

ああそうか、て解る

深く解る

目をしばたたく

何んにも見えていなかったんだ

何んにも聞いちゃあなかったんだ

そんでお面がやって来て

本当は此方がお面だって

吹ッ飛ばしててくれたんだ

子どもあれは子の神様か

子のイタズラ好きの神様か

ガジュマルに回れ左

かしわ手二っつ